Technical Dissertation No. 20

マンションリノベーションの盲点!コンクリートの隙間から侵入するシロアリの意外な経路

監修:シロアリトラブル大辞典 専門家ネットワーク

マンションリノベーションの盲点!コンクリートの隙間から侵入するシロアリの意外な経路

Fig. 01: 本詳録に関連する実務的記録

「マンションは鉄筋コンクリート造だから、シロアリの心配はない」と考えている方は非常に多いです。リノベーションの現場経験から言わせていただくと、その油断は非常に危険です。

実は、マンション特有の構造の中にこそ、シロアリが密かに侵入し、資産価値を損なう「盲点」が隠されています。今回は、建物を知り尽くした建築士の視点から、マンションリノベーションで必ずチェックすべき被害経路を解説します。

1. コンクリートは「無敵」ではない。0.6mmの隙間が命取り

シロアリは、わずか0.6mm程度の隙間があればどこへでも侵入します。コンクリート自体のひび割れ(クラック)はもちろん、マンション構造のつなぎ目である「打継ぎ部」や、エレベーターシャフトの周囲などは、彼らにとって絶好の進入路となります。

特に50年の歴史の中で見てきたのは、コンクリートの内側にある断熱材を「道」にして、高層階まで登っていくケースです。コンクリートは食べられなくても、その表面や隙間を伝って木材(床下地や枠材)までたどり着く力を持っているのです。

2. 配管スリーブ:マンション最大の「侵入の高速道路」

マンションリノベーションの際、私たちが最も注意深くチェックするのが、給排水管やガス管がコンクリートを貫通している「配管スリーブ」の周辺です。

  • 隙間の充填不足: 配管とコンクリートの間にわずかな隙間があると、そこから土壌に潜むシロアリが侵入します。
  • 水漏れによる誘引: 経年劣化した配管からじわりと漏れた水は、シロアリを呼び寄せる最強の誘引剤となります。

3. なぜ「リノベーション時」の点検が不可欠なのか?

私たちは、新しい建物を建てることよりも、既存の建物を「リフォーム・リノベーション」して大切に住み継ぐことを推奨しています。マンションの場合、普段は床下や壁の内部を見ることができません。スケルトンリフォーム(内装解体)を行うタイミングこそ、建築士が構造体の劣化やシロアリの痕跡を直接目視できる一生に一度のチャンスなのです。

4. 二級建築士が見極める、マンション特有の防除

マンションの防除は、戸建てとはアプローチが異なります。ただ薬剤を撒けば良いわけではなく、共用部への配慮や、配管経路を考慮した精密な施工が求められます。私たちは、建築の専門知識を活かし、侵入経路を物理的に封鎖するなどの「構造的な対策」をセットで提案します。

マンションオーナー様へのメッセージ

「うちはマンションだから」という安心感が、将来の大きな修繕費用に繋がることもあります。プロの目で、あなたの大切な資産を土台から守ります。リノベーションをご検討中なら、まずは「建物の健康診断」から始めてみませんか?

CALL FOR FIELD SPECIALISTS

現場で戦うプロフェッショナルの皆様へ。
本項の「情報の更新・知見の追加」を求めています。

本寄稿は執筆時点での最善の知見に基づいておりますが、住環境を取り巻く技術や害虫の耐性、建築工法は刻一刻と変化しています。常に最新の現場感覚を反映させることが「百科全書」の使命です。

本項の内容に対する実務的な補足、最新事例による修正をご提示いただける専門家の方(建築士、防除士、駆除士、現場職人)の声を募集しております。

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